30周年を迎えメタルに挑戦したYB、「僕の中に眠っていた夢の音楽を始めた」
2025年02月18日

「がんと新型コロナウイルス感染症で闘病した時期、メタルミュージックを聴きながら力をたくさん得た。医師に、酒やたばこをやめろと言われたことはあるが、メタルをやめろと言われたことはなかった」(ユン・ドヒョン)
30周年を迎えた韓国を代表するロックバンドYBが、メタルという新しい試みと共に戻ってきた。
YBは17日、ソウル・麻浦(マポ)区のローリングホールで開かれた『ODYSSEY』の発売記念音楽鑑賞会で、「ただメタルをやりたいという気持ちで出したアルバムだ」とし、「もっと遅くなる前に、自分の中に眠っていた夢の音楽、やりたい音楽ができてうれしい」と明かした。
26日に発売される『ODYSSEY』は、YBが結成30周年を迎えて発売するミニアルバムだ。これまで、メロディーのあるロックミュージックを披露したバンドが、メタルジャンルでアルバムを埋め尽くすのは、今回が初めてとなる。
日頃からメタルを聴くユン・ドヒョンは当初、ソロプロジェクトの一環で、メタルアルバムを計画していたが、メンバーと話し合った末に、バンドの名義で今回のアルバムを発売した。
ベーシストのパク・テヒは、「YBの新しい出港を知らせるアルバムだ」とし、「作業をしながらメンバーと『メタルが日常に染み込む感じ』と話したが、音楽的満足度が一番高いアルバムだ」と述べた。
アルバムには、ダブルタイトル曲「Orchid」や「Rebellion」をはじめ、「Voyeurist」、Netflixのオリジナルシリーズ「最強ラグビー! ~生きるか死ぬか~」の挿入歌「End And End」など6曲が盛り込まれた。
楽曲の長さが6分を超える「Orchid」は、終始一貫して流れるベースとギターの演奏が特徴な楽曲だ。音楽鑑賞会の司会を務めた音楽評論家のイム・ジンモは、「Orchid」について、「独創的なベースラインを持ったナンバーだ」と評価した。
「Rebellion」は、ユン・ドヒョンののどを刺激するグローリング唱法が強い印象を残す楽曲で、JYP所属のバンドXdinary Heroesがフィーチャリングした。
ユン・ドヒョンは、「Xdinary Heroesと一緒に公演する目的で、ステージで楽しむことできるように軽い気持ちで作業した楽曲だ」と語った。
新しい音楽スタイルに大きなプレッシャーを感じたというメンバーたちは2年間、アルバム発売を準備しながら絶えず練習してプレッシャーを乗り越えたと振り返った。
ドラマーのキム・ジンウォンは、「初めて下絵を受け取った時、会社の人が突然たくさんの本を持ってきて“残業しろ”と言わんばかりだった」とし、「どうやってこなそうかとも考えたが結局、一歩ずつ進んでルーティンを作るしかなかった」と振り返った。
その結果、メンバー全員にとって満足のいく結果となった。メンバーは今回のアルバムのおかげで、バンドが音楽的に目標とする地点に近づくことができたと話した。
ギタリストのホ・ジュンは、「これまでやったことのない練習をすることになり、他のスキルも一緒に上がる感じがして満足だ」と明かした。
同日の音楽鑑賞会には、歌手のキム・スチョルがゲストとしてサプライズ出演し、バンドのメンバーたちにお祝いのあいさつを伝えた。
キム・スチョルは、「ユン・ドヒョンとYBを大切に思い、心から愛している」とし、「ユン・ドヒョンのパワフルな声は昔も今も変わらず、YBの生きた演奏を聴いてうれしかった」という評価を残した。
1995年に結成されたYBはこれまで、「I Guess I Loved You」、「Peppermint Candy」、「A Flying Butterfly」、「Blue Whale」など数多くのヒット曲で人気を博した。キャリアが築かれた今も、毎年大学祭の舞台に立つなど、若い層から人気を得ている。
ユン・ドヒョンは、「過ぎた道を振り返ってみると、感謝があふれる」とし、「これまで僕たちの歌はとても愛されてきたので、勇気を出して新しい音楽を出すことができたと思う」と述べた。
バンドは、2000年に解散し再結成されたが、ユン・ドヒョンが2021年から3年間、がんで闘病するなど数回にわたり活動を休止したりした。そのたびYBは、再び舞台に戻って音楽を届けた。
そのため30周年が持つ意味は格別だが、実際にユン・ドヒョンは、過ぎた時間が一日一日、黙々と与えられた道を歩んできた結果だと語った。
「何年しようと決めてやったのではなく、一日一日一生懸命に生きているうちに、30年が経った。今年は、ベストアルバムも準備して、ツアーも長く準備し、有意義に過ごそうと思う」