歌手ペク・ジヨン、新譜『Ordinary Grace』を発売…「力さえあれば舞台に立ち続けたい」
2024年12月03日
「力さえあれば、イ・ミジャさん、パティ・キムさん、ナ・フナさんのような年齢になるまで舞台に立ち続けたい」
歌手のペク・チヨンはデビュー25周年を迎え、「昔は髪が白くなると、無条件にやめなければならないと思った」とし、心境の変化を語った。
普通の歌手であれば多少陳腐に聞こえるかもしれないが、1999年のデビュー以降、ラテンダンスブーム、低迷期、再びバラードの女帝に君臨するまで、人生の“V字”曲線を描いた彼女だからこそ、よりいっそう真剣な答えとして響いた。
ニューアルバム『Ordinary Grace』の発売を記念して、ソウル・江南(カンナム)区で会ったペク・チヨンは、「25年間活動して、50年近く生きているうちに、子育てをし、人生の屈曲を乗り越えて(人生)グラフの大きさ自体が大きくなった」とし、「かつては大きく揺れ動いていた(人生の)グラフも、(X軸の範囲が広がったことで)今では緩やかに見える時期になった」と振り返った。
彼女は、「私の人生で経験した大きなダメージも、ドラマチックなよい影響も、過ぎてみると人生を根こそぎ変えるほどのものではなかった」とし、「過去や未来よりは、現在が重要だと、特に子どもを育てながら感じるようになった」と述べた。
ペク・チヨンはデビュー後、「Choice」、「Dash」、「Sad Salsa」など、ラテンダンス曲で人気を博し、1990年代末と2000年代初めにソロダンスディーバとして活躍した。その後、ブランクと低迷期も経験したが、2006年には切ないバラード「I Won't Love」が大ヒットし、その後「Like being hit by a bullet」や「Please,Don't forget me」などで、第2の全盛期を享受した。2009年には、2PMのテギョンとタッグを組んだダンスナンバー「Candy in my ears」がヒットし、ダンスディーバの底力を再び見せた。
ペク・チヨンは、「私はありがたいことに、もともと性格が淡泊で、悪いことはすぐ忘れ、いいことや楽しいこと、平穏なものを求めて動き回るタイプ」とし、「これがまさに25年を耐えた原動力だ」と強調した。
彼女は、女性ソロとしてダンスとバラードという2つのジャンルでトップに立った数少ない歌手だ。このような話を切り出すと、「運がよかった」と謙遜した。
「もともとバラード歌手としてデビューするつもりだったが、当時(1999年)、アメリカではジェニファー・ロペスとリッキー・マーティンのブームが巻き起こっていた。ダンスが得意でもないのに、活動することなど夢にも思わなかった『Choice』というラテンジャンルの楽曲でデビューした」
ペク・チヨンは、「あの時ダンス曲でデビューしたことが、2つのジャンルをこなせるきっかけになったように思う」とし、「もしバラードでデビューしていたら、ダンスへの転向は大変だっただろう。バラードの『I Won't Love』を出した時も負担が全くなかった」と振り返った。
ペク・チヨンが2日にリリースしたニューミニアルバム『Ordinary Grace』には、彼女の淡泊でポジティブな人生観がよくにじみ出ている。日々の小さく平凡な部分から感じる大切さと深い感情を表現したアルバムだという。
アルバムにはタイトル曲「Indeed, It Was Love」をはじめ、オーディション番組でペク・チヨンと師弟の縁を結んだ公開歌手ユ・ソウンが参加した「Fly」、心残りと後悔を込めた「Sweet Sleep」、聴く人を慰める「Gleam」など5曲が収録された。
ペク・チヨンは、「これまでシングルとOSTを主に出してきたが、このように心を込めてアルバムを出すのは久しぶりだ」とし、「タイトル曲は愛の話だが、他の曲では愛より人生や私が持っている気持ちを表現してみた。私にとっては、不慣れながらも親しみを感じるアルバムだ」と紹介した。
続けて、「これまで哀れで、悲しく、切なく、つらい人の気持ちを歌ったとするなら、今回の楽曲では淡々とした気持ちや年輪が感じられる」とし、「人生を淡々と受け入れながら生きていく気持ちで歌った」と述べた。
彼女は、「誰かが私の声は、“まるで指紋のようだ”と言った。マスクをしたり帽子をかぶったりしていても、何か一言でも話せば、“もしかして、ペク・チヨンさん?”と言われてしまうほど」とし、「特徴のある声のおかげで、歌い方を変えてもぎこちなくなかった」と付け加えた。
「Indeed, It Was Love」は、1990年末に共に活動したH.O.T.のカンタが作曲に参加した楽曲だ。ペク・チヨンは、歌がタイトル曲に選ばれた後、初めてこの事実を知ったという。
MVは、「太陽の末裔 Love Under The Sun」などを手掛けた敏腕ドラマプロデューサーのイ・ウンボクが演出した。俳優である夫のチョン・ソグォンを通じて知り合ったイプロデューサーは、初めてMVを演出。「Indeed, It Was Love」という楽曲のタイトルも彼が付けた。MVでは、ナナ(AFTERSCHOOL)とチェ・ジョンソクが恋人として演技を繰り広げた。
ペク・チヨンは、この楽曲で別れを受け入れる淡々とした気持ちを一音一音、真剣に歌った。彼女は、「“やがて最後”という歌詞が、私にとても鋭く刺さった」と述べた。
「あまりにも美しかったし、満足したし、愛したし、幸せだったが、“やがて最後”ということを受け入れる(話し手の)気持ちが、メロディーとよく調和した。私もまた25年間活動しながら、ありとあらゆることをたくさん経験して、“やがて”この歌と出会ったと感じた」