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映画『幸せの国』主演のチョ・ジョンソク、「他の映画にはない故イ・ソンギュンさんの姿を見ることができるだろう」

2024年07月23日

昨冬、劇場界のヒットの中心にあった映画『ソウルの春』は、1979年の軍部内の私組織が不法に権力を掌握した12・12事件(粛軍クーデター)をモチーフにした作品だ。
12・12事件の1か月ほど前には、パク・チョンヒ(朴正煕)前大統領が暗殺された10・26事件(朴正煕暗殺事件)があり、キム・ジェギュ中央情報部長をはじめ、暗殺事件に関わった人々に対する裁判が開かれた。

この裁判過程を想像力で再構成した映画が、来月14日に公開される。千万映画『王になった男』(2012)を演出したチュ・チャンミン監督の新作『幸せの国(原題:행복의 나라)』だ。
『幸せの国』は、最近公開された『脱出:PROJECT SILENCE(原題:탈출: 프로젝트 사일런스)』と共に、昨年突然亡くなった俳優のイ・ソンギュンさんの遺作だという点でも注目されている。
イ・ソンギュンさんは10・26当時、中央情報部長の随行秘書官として裁判を受けたパク・フンジュ大佐をモチーフにしたキャラクターで剛直な軍人パク・テジュを演じ、チョ・ジョンソクは彼の弁護人チョン・インフ役を務めた。
チョ・ジョンソクは22日、ソウル・広津(クァンジン)区のある映画館で開かれた『幸せの国』製作報告会で、「他の映画では見られなかったイ・ソンギュンさんのどっしりとしながらも真剣な姿を見ることができるだろう」と述べた。
チョ・ジョンソクは、「シナリオを初めて読んだ時からパク・テジュを弁護したい欲望が湧き上がり、話にぜひ参加したいという気持ちがした」と振り返った。
彼は、チョン・インフについて、「この映画で唯一の架空の人物だ」とし、「法廷争いに長けた人だが、パク・テジュを弁護する間、間違った裁判に憤りながら少しずつ変わっていく」と紹介した。
『幸せの国』の撮影当時、イ・ソンギュンさんはチュ監督にこの映画に参加することにしたのは、チョ・ジョンソクのゆえだとし、「映画を共にしながらチョ・ジョンソクから学びたい」と打ち明けたという。
チュ監督は、「そのように立派な俳優がまだ好奇心と熱望を持って、学びの姿勢で演じるということに驚いた」と述べた。
10・26事件の合同捜査本部長だったチョン・ドゥファン当時保安司令官をモチーフにしたキャラクターのチョン・サンドゥは、ユ・ジェミンが演じた。劇中、チョン・サンドゥは、パク・テジュなどに対する裁判を盗聴しながら不法に関与する。
ユ・ジェミョンはチョン・サンドゥについて、「弁法と非常識的な策略で、真実を隠ぺいする人だ」と紹介した。彼は、チョン・サンドゥを演じながらカツラをかぶるのではなく、実際に髪を短く切ったり、そったりしたという。
チョン・サンドゥと対立する陸軍参謀総長のチョン・ジヌ役は、イ・ウォンジュンが務め、チョン・インフと共に弁護人団に所属する弁護士プ・ハンミョンとチェ・ヨンナムは、それぞれチョン・ベスとソン・ヨンギュが演じた。弁護人団と法廷争いをする検察官のペク・スルギ役は、チェ・ウォニョンが務めた。
製作陣は、作品の中心舞台である法廷をリアルに再現しようと力を入れたという。1970年代の感じを生かすために、“アナモフィックレンズ”という特殊レンズで撮影したりもした。
チュ監督は、主人公のパク・テジュのモチーフとなったパク・フンジュ大佐について、「この映画を通じて彼が世の中に紹介され、彼が受けた不当な待遇が少しは薄められることを願う気持ちがある」と述べた。
その一方で、「映画の中の場面とセリフなどが法廷場面と記録、ドキュメンタリーなどにあるものをたくさん持ってきた」とし、「最大限、どちらか一方に偏らず、バランスを取ろうと努力した」と付け加えた。

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