ハ・ジョンウ主演の映画『ハイジャック』、今月21日に韓国で公開
2024年06月14日

1971年1月23日、江原道(カンウォンド)束草(ソクチョ)からソウルに向かっていた大韓航空旅客機が、ハイジャックされ、北朝鮮に行かせられそうになる事件が発生した。
旅客機に乗るハイジャック犯のキム・サンテ(当時23歳)が、自作の爆弾で機長を脅し、越北を要求したのだ。乗務員たちの勇気と犠牲がなかったら、大惨事になるかもしれなかった危険な事件だ。
大韓航空の旅客機拉北未遂事件と呼ばれるこの実話が1本の映画として作られた。キム・ソンハン監督が演出した『ハイジャック』だ。
実話の時空間的背景にそのまま従いながら、当時の事件の緊迫感と瞬間を映画的想像で再現した。
空軍戦闘機操縦士出身の大韓航空旅客機の副機長テイン(ハ・ジョンウ)が主人公だ。1971年の冬のある日、テインは機長のギュシク(ソン・ドンイル)と束草空港から金浦(キンポ)行き旅客機の操縦席に並んで座る。
乗客たちは、生まれて初めて飛行機に乗るように浮かれた気持ちで旅客機に乗り込み、乗務員のオクスン(チェ・スビン)が彼らを案内する。
旅客機をハイジャックして北朝鮮に渡り、そこで英雄となることを夢見るヨンデ(ヨ・ジング)も自作の爆弾を隠しながら搭乗する。
映画は、始まってすぐ緊迫した事件に突入する。
カメラは狭い機内の空間に入り、登場人物の姿を近くで撮る。観客は自然に乗客の一人になったような感じを受ける。
ヨンデの乱闘が始まり、旅客機は曲芸飛行をするように360度空中回転したり、垂直に上昇したりもする。まるでジェットコースターに乗ったように揺れ動く場面も繰り広げられる。
映画は、コンピューターグラフィックス(CG)を活用し、旅客機の危険な飛行を外部からも見せる。旅客機の越北を阻止するため出撃した空軍戦闘機が威嚇射撃をしたりもする。観客は、旅客機の外の観察者に戻る。
自分の体を守るだけで精一杯の極限的な状況で、最後まで責任を全うするテイン、ギュシク、オクスンの姿が感動的だ。
ヨンデのように人が死んでも、自分の目的を達成しようとする人が増えた現実を思うと、なおさらだ。
『ハイジャック』は、キム監督のデビュー作だ。彼は『アシュラ』(2016)、『1987、ある闘いの真実』(2017)、『白頭山大噴火』(2019)などの助演出で経歴を積んだ。『1987、ある闘いの真実』のキム・ギョンチャン作家が今回の作品の脚本を書いた。
製作スタッフは、50人を超える乗客全員を俳優で固め、機内で起きる些細な動き一つひとつにも躍動感を加えた。
キム監督は、『ハイジャック』について、「人生の最後に立った人たちの選択に関する話だ」とし、「その状況で果たして私はどんな選択をするかに対する考えを分かち合いたかった」と述べた。
映画『ハイジャック』は21日に韓国で公開され、上映時間は100分、年齢制限は12歳以上観覧可だ。