KBS WORLD

映画『ハンサムガイズ』…俳優たちの体当たりの演技が醸し出す笑い

2024年06月12日

人々を笑わせるのは、ウィットに富んだ人の知的で上級なユーモアだけではない。 思いがけないとんでもない事件も笑いを誘う。あとくされのない気楽な笑いは、たいていこんな時にわき出る。
ナム・ドンヒョプ監督が演出した『ハンサムガイズ(原題:핸섬가이즈)』が醸し出す笑いもここに近い。この映画は、荒唐無稽ながらもあきれる事件で、最初から最後まで笑いを続ける。 10年間、粘り強く貯めたお金で、地方の人里離れたところにある古い家を一軒買い取り、ついに田園生活の夢を叶えることになったジェピル(イ・ソンミン)とサング(イ・ヒジュン)の話だ。
実の兄弟に劣らないほどの友情を誇る2人が犬1匹とトラックいっぱいの荷物と共に新しい住居に到着することから話が始まる。 彼らの家の近くには、ミナ(コン・スンヨン)を含めた大学生5、6人が遊びに来ている。静かな地方でやることがあまりない警察官チェ少将(ペク・ジファン)やナム巡査(イ・ギュヒョン)が時々周りをパトロールする。
『ハンサムガイズ』のとんでもない事件は、ジェピルとサングに対する人々の誤解から生じる。 ジェピルとサングは、純朴な心を持っているが、人々は2人の険しい外見だけを見て、一挙手一投足に疑いの目を向ける。 自己陶酔に陥って暮らすジェピルとサングは、他人のそんな視線に気付かない。2人は、自らをハンサムだと思い、“タフガイ”と“セクシーガイ”を自称する。 2人の見た目に対する主観的認識と、客観的認識が極端に交差し、たいしたことではないことが荒唐無稽な事件に飛び火する。 ここに長い年月、田園住宅の地下室に閉じ込められていた幽霊まで入り込み、想像を絶する事件が相次ぐ。
『ハンサムガイズ』は、基本的にコメディーだが、オカルトの要素もかなり強い。人に憑依する幽霊や十字架を活用したカトリック神父の退魔儀式のような設定は、ハリウッドのオカルト映画を連想させる。 幽霊の憑依がぞっとするような感じを醸し出す場面も多いが、この映画のオカルトは、コメディーの枠から外れない。 幽霊が人を食い物にするような劇的な場面でも笑いが爆発する。映画の導入部で、カメラが見せる引っ越しトラックのナンバー「666」も恐怖感を呼び起こすよりは、どこかコミカルな感じを与える。
『ハンサムガイズ』で観客を笑わせるのは、何よりも果敢に自分を投げ出す俳優たちの演技だ。 『ソウルの春』(2023)の戒厳司令官など、重々しいキャラクターを主に演じてきたイ・ソンミンは、荒々しく単純なジェピル役を務め、右往左往しながら笑いを誘う。 イ・ヒジュンは単純さではジェピルに劣らないながらも、かわいい面を持ったサングのキャラクターをこなしながらイ・ソンミンと心地よいやりとりを見せる。 ジェピルとサングの間に割り込むミナを演じたコン・スンヨンは、笑いの触媒役を十分に演じる。『犯罪都市』シリーズで組織暴力団役を務め、コミカルな演技を繰り広げたパク・ジファンは、今度は警察として登場し、いくつかの場面で笑いを引き出す。
『ハンサムガイズ』はナム監督のデビュー作だ。彼は『上級階級』(2018)、『7人の追撃者』(2018)、『ちりも積もればロマンス』(2011)などの助監督として経歴を積んだ。 ナム監督は、11日の試写会で、「コメディーというのは笑わせたいと思って笑わせられるのではない」として、「笑わせる状況に到達する話の展開とその中のキャラクターがどのようにすれば観客に説得力を持つか、苦悩を繰り返した」と述べた。
映画『ハンサムガイズ」は26日に韓国で公開される。上映時間は101分、年齢制限は15歳以上観覧可だ。

前の記事 エンタメ情報一覧へ 次の記事