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映画『破墓』出演のキム・ゴウン、「存在感のあるシャーマンのキャラクターを生半可に表現するのは嫌だった」

2024年02月27日

チャン・ジェヒョン監督のオカルト映画『破墓(原題:파묘)』は、予告編が公開された時から俳優キム・ゴウンがお祓いをするシーンが話題となった。
彼女は、巨額の金をもらい怪しい墓を移葬することになった人々が経験する奇異な出来事を描いたこの映画で、若い巫女ファリム役を務めた。 鋭い包丁を持ったまま神にとりつかれたように踊り、髪の毛を顔に塗るいけにえのお祓いをするシーンは、『破墓』の白眉だ。
「シナリオを初めて読んだ時、とても存在感があってオーラあふれるキャラクターだと思った。そんな役を生半可に表現したくなかった」
26日、チュン(中)区のあるカフェで会ったキム・ゴウンは、ファリム役を準備していた当時を振り返りながらこのように述べた。
彼女はキャスティングが確定した後、数か月間“半巫女”として暮らした。お祓いの儀式を見ながら巫女たちの動きを観察し、魂を呼ぶ時に唱える経文を丸ごと暗記したという。 有名シャーマンであるコ・チュンジャ氏の義娘を先生として仕え、彼女の家で食事をしながらお祓いの過程を学んだりもした。
キム・ゴウンは「巫俗信仰をよく知らなかったのでぎこちなく表現してしまうのではないかととても心配した」とし、「オーラは、些細なことから出てくると思い、ディティールな動きに特に気を使おうとした」と述べた。 「お祓いをする前に少し体を震えさせたり、首を折ったりする動きだ。口笛はなぜ吹くのか、鉦を打つときはどうやって撥(ばち)を取るのかもすべて先生に聞いた。テレビ電話で私が演技する姿を見せながら、大丈夫かと聞いた(笑)」
ファリムが一人で歌いながら儀式を行うシーンもやはり、ゾッとするほどリアルに表現された。 「ここで中途半端なら終わりだ」と思ったというキム・ゴウンは、「逃げたいほどストレスを受けたシーンだった」と打ち明けた。 彼女はあまりにもプレッシャーが大きい上、覚えなければならないセリフと動きが多かったため、恐怖さえ感じる余裕がなかったと述べた。 ただ「もし(撮影中に)本当に神が下りてきたらどうしよう」という心配はしたという。すると諮問してくれた巫女は、「われわれの心配するところではない」とキム・ゴウンを安心させた。
このようにファリム役は30代の女性俳優が簡単に挑めるキャラクターではないが、キム・ゴウンはまったく拒否感が湧かなかった強調した。むしろ「私に役をオファーしてくれたチャン監督に感謝するだけだ」と述べた。 「こういうタイプのキャラクターが出てくる映画が多くもないし、またそれを私が引き受けるのも難しい。もっと多様な役に私を呼んでほしい。私は自ら(できる役柄を)決めつけないから。私が限界を決めると、本当に限定的なことしかできないと思う」
『破墓』の公開後、演技に対する好評が続き、彼女は努力の対価を十分に得ている。
風水師のサンドク役のチェ・ミンシク、葬儀師のヨングン役のユ・ヘジンなど、先輩の俳優たちと固い仲になったのはおまけだ。親しくなるための努力など必要なく、自然と親しくなって盃を酌み交わすようになった。 キム・ゴウンは「普通、撮影現場では照れくさい称賛はあまりしないが、『破墓』ではワンテイクを終えるたびに、先輩たちがよかった部分を話してくださった」としながら、「私がもっと果敢に表現できるように自信をくれた」と笑った。
作品自体も興行に恵まれ、キム・ゴウンはヒット作に対する渇望も満たすようになった。
公開4日目に200万人の観客を突破した『破墓』は、彼女のフィルモグラフィーで最もヒットした作品として記録される可能性が高い。彼女が出演した映画の中で、これまでの最高興行作はユン・ジェギュン監督の『英雄(原題:영웅)』(327万人)だ。 キム・ゴウンは「一日に何人『破墓』を見たという話を聞くたびに、『これが現実的に可能なのか?』という疑問がわく」と明かした。
「舞台あいさつをしに劇場に入ると、いつも客席がいっぱいになっている。うれしいを超えて感動した。私としては初めて聞く数字が映画のスコアとして出てくるので、驚くこともある。この勢いに乗って最後までいけば、これ以上望むことはないと思う」

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