見どころ満載のSFファンタジー映画『宇宙+人』、韓国で今月20日に公開
2022年07月14日

高麗時代末期に巨大な飛行船が現れ、体から長い触手を出す宇宙人が飛び回ったらどうなるだろうか。
チェ・ドンフン監督の新作『宇宙+人 (原題:외계+인)』1部は、1300年代から2022年、地球から宇宙まで、広範囲な時空間を行き来しながら繰り広げられるSFファンタジーだ。
地球に住む“ガード” (キム・ウビン)は、管理システムであり相棒の“サンダー”を使って、人間の体に宇宙人の囚人を収監している。宇宙人は、古くから囚人を人間の脳の中に閉じ込めて、人間を死に追いやり、自然消滅させようと企てていたからだ。
脱獄が起きたのは、わずか7回。ほぼ順調に制御してきたが、最後の脱獄が発生した日、サンダーは人間の子供を連れて、時空を超えた。完璧だったはずの管理体系に亀裂が生じたのだ。
10年8カ月後、ガードはいつものように、地球に送られてきた囚人を人間に収監していた。今回、地球に来た囚人は全部で138人。その中には、宇宙の反乱を主導した「設計士」、囚人番号197Aもいた。
設計士と彼を助け出そうとする彼の手下によって、地球は混乱に陥り、高麗時代末期と2022年現在に時間の扉が開く。
1391年、高麗時代末期には“ムルク” (リュ・ジュンヨル)のような道士たちが、高い懸賞金のかかった神剣を得るため、争っていた。不思議な物品を売る神仙“フクソル” (ヨム・ジョンア)と“チョンウン” (チョ・ウジン)、密本 (7世紀頃の新羅の景勝地)のリーダー、“ジャジャン” (キム・ウィソン)、正体不明の“イアン” (キム・テリ)も同じだ。
映画は、過去と現在を鮮やかに行き来する。物語の構成だけでなく、剣術、エネルギー波、超能力、ガンアクションなどの武術においても過去と現在を見せる徹底ぶりだ。
ここに広大な宇宙や最先端ロボット、怪奇な宇宙人、飛行船、蛍光レーザーまで、ハリウッドのブロックバスターによくあるCGが加わり、見どころ満載となった。
監督の前作『チョン・ウチ 時空道士』(2009)と比較して見る面白さもある。
『チョン・ウチ 時空道士』は、封印された妖怪が脱出し、朝鮮王朝時代が混乱に陥った姿を描いたとするなら、『宇宙+人』は、宇宙人の囚人が脱獄して地球と人間が危機に瀕する様子が描かれた。道術を使う道士が登場して、伝統武術を見せるという点も似ている。
適度なコミカルさが、作品をいっそう引き立てるが、これにはリュ・ジュンヨル、キム・テリ、キム・ウビン、ヨム・ジョンア、チョ・ウジンらの一流演技が一役買った。
チェ監督は試写会に続いて開かれた記者懇談会で「韓国的なやり方で『アベンジャーズ』くらい面白い映画を作りたかった」と話した。
そして「(『チョン・ウチ 時空道士』後の) 13年という歳月は、長いと言えば長く、短いと言えば短いが、もう一度ジャンル的な組み合わせを見せたかった」と明かした。
映画『宇宙+人』1部は、韓国で今月20日に公開される。上映時間は142分で、PG12指定だ。